走行中の突風を切り抜けるには

突風が吹きやすい場所

台風のシーズンは、ライダーにとっても走りにくいシーズンです。
強い風がつきものの台風は、暴風や突風となってライダーを襲うことがありますよね。
もちろん風が強い時には無理してバイクに乗らないというのが一番安全ではあるものの、通勤や通学で絶対に乗らなければならない、運悪く遭遇してしまったということもあります。

強い風にあおられてバイクが不安定になり、怖い思いをしたことがあるという方も少なくないはずです。
強い風によってバイクは不安定な状態になるからこそ、様々なルールがあります。
風が強くなりやすい臨海地区や広い河川にかかっている橋などは、道路管理者の判断が非常に厳しくなっていることがあります。
例えば、東京湾アクアラインは風速20メートル以上、風速15メートル以上で最高速度規制がかかります。

風速が15メートルを超えると、横風に流され、ハンドルを取られる感覚が非常に強くなります。
風速20メートルを超えると通常速度での運転が難しくなり、25メートル以上になると走行中のトラックが横転してしまうというレベルになります。
つまり、台風が強風域に入っている場合にはバイクでの外出は控えた方が良いと言えるでしょう。

風は地形の影響を大きく受けるので、特に入江や山の尾根、海峡などでは強く吹きます。
また、ビル風と呼ばれる強風や乱流が、建物周辺では発生するでしょう。
トンネルの出口や橋の上もピンポイントで風が強くなることがあるため、風が一時的に弱くなっていても油断せず走行してください。

突風に遭遇してしまったときの走り方

横からの突風にあおられると、予期せぬ車線変更にも繋がってしまうことがあり、非常に危険です。
横から殴りつけられるような強さでその勢いに抵抗することは、非常に難しくなります。
様々な装備を装着している大型のバイクでも、横風の影響を強く受けることがあります。

横風を体感した場合には、逆に舵を取ってみましょう。
つまり、左から風が吹いている場合にはハンドルを少し右に切ります。
こうすることで車体が左に傾くため、バランスをとりやすくなるんです。

トンネルの出口周辺など、横風がある程度予想できるポイントでは、上体をややせ気味にしてから車体をきちんとホールドしましょう。
リラックスしながらも、低めに構えて風を受け流しましょう。
下半身はしっかりとにグリップすることで、車体の安定感が高まります。

車体をやや風上に向けるようなイメージでバイクに乗っていると、バランスを取りやすくなります。
風の方向や強さによっては下半身のニーグリップを少し緩めて、股の下で車体を少し遊ばせるような感覚で当て舵を使うのも有効です。