初めてでも簡単メンテナンス【ネジとボルトのなめを防ぐ】

ネジとボルトが「なめ」られてしまう原因とは

あまり工具の扱いに慣れていない人にありがちなのが、ボルトやナットの「なめ」です。
「なめ」とは、ネジの頭や角が潰れてしまい、工具を使っても力が入らなくなってしまう状態を指します。

ドライバーやレンチなどを使用してネジを開く時、思うように開いてくれないとついつい力づくで開けようとしていませんか。

しかしそうした余計な力を入れた工具使用をすると、ネジ頭やボルトの角を潰すだけで、肝心の開閉ができなくなってしまいます。

こうした「なめ」の発生原因として最も多いのは、精度の低い工具またはサイズの異なる工具を使用していることです。

ボルトやナット、ネジ類には「M5」のような規格がそれぞれ付けられています。
しかし工具の種類が十分ではなかったり、そもそも使う工具を間違っていたりすると力が正しく入りません。

バイクには購入時より最低限の車載工具が付属していますが、これはそのバイクで必要な工具類の開閉をするために用いるものです。

サイズとしては車載工具を使えばまず間違いはないのですが、精度という面でみると、やはり車載工具はやや落ちるところがあります。

簡単なメンテナンスをするときや、出先のちょっとしたメンテナンスチェックということでは車載工具でも十分ですが、日常的に自分でメンテやカスタマイズをするならきちんとした工具を購入しておくのがよいでしょう。

初めての工具セット選びのコツ

これから自宅でどんどんバイクのメンテナンスやカスタマイズをすることを考えている人なら、ぜひとも一揃え工具セットを購入しておくことをおすすめします。

車載工具や簡易工具ではどうしても力の入れ方が難しく、慣れないうちは「なめ」が発生しやすくなります。

とはいえいきなり10万円以上のツールボックスを購入するというのもハードルが高い話ですので、まずは予算と相談しながら選んでみてください。

最初から全ての工具が揃ったセットでは高額すぎるというときには、バイクによく使用される「板ラチェット」「ビットドライバー」「1/4ラチェット」「ストレートメガネレンチ」「六角レンチ」あたりを用意しておくと便利です。

一般の「ツールボックス(工具セット)」ではなく、バイク用の工具をまとめた「ガレージツールセット」というものもあります。

バイク向けガレージツールセットとしては、「KTC」や「E-Value」「GREAT TOOL」といったメーカーから比較的安価に販売されています。

最初からインパクトドライバなど電動工具を使用すると、かえって力加減がわからずネジの「なめ」が起こりやすいものです。

慣れないうちはきちんとサイズにあった工具を使い、無理な力を入れないように気をつけましょう。